あなたの営業はどこから?
「あなたの風邪はどこから?」
というのは某風邪薬●ンザブロックのキャッチコピー ですが、ビジネス、特に営業においても「どこから攻めるか」狙いを決めるのは必要です。
無策で飛び込んでも相手にブロックされてしまいます。
今回は、相手の懐に(ふところ)に上手く飛び込み、話をしやすくする方法についてあなたにお話ししていきます。
営業:クローズ
まず、営業の1つに『クロージング(クローズ)』というものがあります。
クロージング(closing)
ビジネス・営業活動において、お客様が商品購入の意思表示をして、その契約を締結する事。商談を成立させる事
close:終わる・閉める
要は「お客様に自社の商品・サービスの購入を決めてもらう事」ですね。
とは言っても実際のクロージングはそう簡単にはいきません。
お金がかかっている事です。話すら聞いてくれない事も多々あります。
相手の警戒心を解き、ベネフィット(恩恵・利益)を伝え相手の扉をオープンにする必要があります。
そこで、有効な方法として挙げられるのが次の『フットインザドア』と『ドアインザフェイス』というテクニックです。
営業:『フットインザドア』と『ドアインザフェイス』
フット・イン・ザ・ドア (foot in the door)
まず相手が応じやすい小さな要求(ほとんどの場合、相手に対して損失が無いもの)をして、それが承認されたら次はもう少し大きな要求を…と繰り返し、最終的に本当に叶えたい大きな要求に応じてもらう手法
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」という名前は、訪問販売員が開いたドアの間に足を入れ、話だけでも聞いてほしいという小さな要求を足がかりに販売成功に持っていくという話に由来する。
引用元:wikipedia
身近な所だと「服屋の接客」がありますね。
- 「本日はどういったものをお探しですか?」
- 「でしたらこういうのがありますが、宜しければ他のも持ってきましょうか?」
- 「せっかくですからご試着されますか?」
- 「サイズも良いしお似合いですね。お買い求めで宜しいですか?」
また、個人的にはネットビジネスでは一般的な「無料オファー⇒メルマガ⇒商品の案内(=フロントエンド⇒バックエンド)」の流れにもこの要素が含まれていると感じます。
これは、人間には自分自身の立ち振る舞いや態度、言動、信念などをブラしたくないという『一貫性の原理』が働くからです。
ドア・イン・ザ・フェイス (door in the face)
最初にわざと断られる事を前提にした大きな要求をし、(当然断られた後)それよりやや実現可能な要求を…と繰り返し、最終的に本当に叶えたい小さな要求に応じてもらう手法
「shut the door in the face」=鼻先でドアを閉める=「門前払いをする」
訪問販売者がまず玄関先で顔を出し要求を拒否される流れに由来する(様です。色々調べましたが若干ニュアンスが異なるので)
例、上司から急な頼まれごとをした時
「明日までにこの資料の作成して」と、上司が急でしかも大量の書類を渡して依頼してきました。部下は当然困惑します。
そこで
「じゃあ、3日後までに半分まででいいからお願い」
と言われたら、かなりハードルが下がった様に感じますよね。
これは、上に挙げた一貫性の原理とは別に、
人間には他人から施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという『返報性の原理』が働くためです。
この場合だと、上司が「譲歩」した事に対して自分も譲歩しなければという心理が働いたという事です。
加えて、人には1度NOと言うと別の事に対してNOと言いづらくなる心理もあります。
『フットインザドア』と『ドアインザフェイス』の注意点
フットインザドアの注意点
- 最初の要求と本当の要求に差を作りすぎない事「細かいの無いから10円貸して」→「1万円貸して」これだと効果がないのはわかりますよね。
- 最初の要求に金銭的報酬を絡めない事「〇〇してくれたら●円あげる」これは「報酬目的」「金銭を受け取る事への罪悪感など」別の心理が働いてしまい逆効果になる事があります。
ドアインザフェイスの注意点
- 最初の要求を断られた後はすぐ次の要求をする事間が空いてしまうと効果が消える事が研究結果で明らかになっています。1週間も開けると全く効果は期待できないそうです。
- 最初の要求時に相手を感情的にさせない事いくら断る事前提の要求と言えどそこで相手を怒らせては返ってくるものも来なくなります。
『フットインザドア』と『ドアインザフェイス』:まとめ
今回紹介した方法のどちらが優れているという事はありません。
使う場面や相手によって臨機応変に使い分ける事がポイントです。
また、相手がこの方法を知っていた場合は当然上手くいきづらくなります。
テクニックというのはあくまで『事を運びやすくする手段』でしかありません。
過信しすぎたり溺れてしまっては、一時上手くいっても長続きしないものです。
テクニックを磨くと共に、誠意ある対応もできる事が良いビジネスマンの条件だと僕は思います。
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