次世代の消費者行動モデル『SIPSの法則』とは:1

消費者行動モデルのイメージ画像

今回は消費者行動分析で用いられる【SIPS(シップス)】についてご紹介します。

別の記事では、かつて用いられてきた『AIDMAの法則』について、そしてそれがインターネット普及の時代によって『AISASの法則』という新たな消費者の行動モデルに変化していったことをご紹介しました。

関連記事1:AIDMAの法則

関連記事2:AISASの法則

そのAISASを提唱したのは超大手広告代理店の電通ですが、更にソーシャルメディアが普及する次の時代における生活者消費行動として『SIPS(の法則)』というモデルを提唱しています。




消費者行動モデル【SIPS】とは何か

まずSIPSと言っても服のブランドではありません。他の法則と同じ様に、こちらも消費者が取る行動をそれぞれの段階に分け、その頭文字を取ったものです。具体的には以下になります。

SIPS:

Sympathize(共感する)
Identify(確認する)
Participate(参加する)
Share & Spread(共有する・拡散する)

 

前提として、いま世界中にソーシャルメディアが普及し日々利用されている現状があります。

ソーシャルメディアとは人と人との繋がりで作られていくメディアのことです。具体的には主に「Facebook」「twitter」「Instagram」などのSNSを指します。

 

SNSとはソーシャルネットワーキングサービスの略で、インターネット上の交流を通して社会的ネットワークを構築するサービスのことです。

 

スマートフォンやタブレット端末の普及により、至る所で当たり前の様にネットを利用する環境ができ、様々なSNSでのやりとりを楽しんでいます。こういった環境が進んでいくと、今までの様なマスマーケティングではお客様の心を捉えることが難しくなっていきます。

マスマーケティングの関連記事:メールの重要性⑧『テクニックに溺れ過ぎない』

そこで、そういった人々が何を考えどう行動していくのかを分析することで、商品・サービスの販売や普及に繋げるために考え出された、新たなマーケティング方法がこのSIPSです。

 

SIPSの法則 各段階について

順を追っていきましょう。まずここでは「S」「I」について見ていきます。

Sympathize(共感する)

SNSが普及する以前と以後では「情報の流れ」について以下の様な変化がありました。

SNSが普及する前は

大元(企業など)→メディア(TV・新聞など)→家庭で家族間に→学校や職場

という風に、例えば最初の対象が1万名なら1万名に対して一斉に伝えるイメージです。

これに対して

SNSが普及した現在は

大元(企業など)→メディア→ インターネット → 知人・友人

という風に、まずその情報を知った数名から身近な数名へ、そしてまた数名へ…結果として数万名に伝わるという拡散の仕方を取ります。

 

かつては世代間から広がっていった情報が、今はインターネットを通じて『関係が浅い~深い関わらず知人・友人に』あるいは『全く知らない人』にまで拡散されてしまうケースも出てきました。

そして、この情報が広がるために必要なのが【共感】です。

Facebook、twitter、あるいはmixiなどでも全て『いいね』という共感を確かめるボタンがあり、共感が高いものは『シェア』『リツイート』と言う形で拡散されていきます。

 

2種類の共感について

この共感には2種類あります。

それは『情報元への共感』と『情報自体への共感』です。

情報元への共感というのは「企業・ブランド・起用された芸能人・有名人など」に際しての共感で、情報自体への共感は「その商品・サービス自体」に対しての共感です。

 

Identify(確認する)

ある情報に触れた人々はそれをまずインターネットで【確認】します。そして色々調べて良いものだと判断した(共感した)時、次の行動に移ります。

例えば私は知らない番号からかかってきたら悪徳業者ではないか、まず調べます。また、何か必要になったら「価格」「評判」「使った人の感想」なども気になるので調べます。皆さんにもそういった経験が少なからずあるのではないでしょうか。

 

情報を発信する側(=売りたい側)はこの共感を高めるために、自社のブランド力を高めたり、社会貢献活動などでイメージ力を高め、そしてより多くの人の共感を得るためにそれを広報・広告などで広めることが昔以上に必要とされる時代になってきています。

 

例えば『ブラック企業』という言葉はここ数年で一気に定着しましたが、やはり悪いイメージの企業からは買いたくなくなりますよね。

まだまだ改善されない部分も多かったり、嘘の情報に世間が騙されるケースも見受けられますが、現代では良いイメージの商品やサービスは残り、悪いイメージが付いたらいずれ報いを受ける様に少しずつなってきているのではないでしょうか。




 

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