こんにちは。いつもお読み頂きありがとうございます。
今回は【 クロスセル・パッケージセル・アップセル・ダウンセル 】という効果的な販売方法について、それぞれの意味や違い、事例をご紹介します。
「なぜ似た様な商品を売っているのにあの店の売上は伸びるのか?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
それはちょっとした工夫で他店よりも差をつけているからです。
今回紹介する4つの方法は古くから使われているビジネス戦略ですが、もしこれか何か商売をしようとしているなら取り入れて損はない販売テクニックとなります。
クロスセルについて
クロスセル(Cross Selling)とは、以下の販売方法のことです。
1、ある商品を売る時にその商品と関連のあるものを勧めて売ること
2、本来買う予定のなかったものを「ついでに」買わせること
英語では “impulse buy”(インパルス・バイ)という場合もあります。
それぞれについて詳しくご紹介します。
クロスセルの方法①:ある商品を売る時にその商品と関連のあるものを勧めて売る
最も有名な成功事例はマクドナルドなどファストフード店の「ご一緒にポテトもいかがですか?」ですね。
他にも定食屋で丼ものを頼んだら味噌汁などの追加注文を訊かれたり、服屋で何かを買ったら「他にお求めのものはございませんか?」というのもそうですね。
他に私が上手いと感じるのは「Amazon」の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」です。
これには『社会的証明』、つまり「一般に認められているから安全」という発想が生まれるのも加わっていて、よりクロスセルの成果が出やすい工夫ですね。
関連記事:影響力:【社会的証明】とは
クロスセルの方法②:本来買う予定のなかったものを「ついでに」買わせる
例としては、スーパーのレジ付近にある電池やお菓子などです。「そういえば不足していたな」「ついでに買っておこう」と簡単にカゴに入れやすいですよね。
他の事例だと、ビレッジバンガードやドン・キホーテなど、わざと店内を物で溢れる様にして「探す楽しさ」を感じさせることでクロスセルを図っている所もありますね。
クロスセルを行う時のポイント
基本的にどちらの方法も『メインの商品より安いものを勧める』ことが大半でかつ効果的です。
そして大切なのは、クロスセルで最も効果的なのは『商品を買った瞬間』ということです。なぜなら1度財布のヒモを緩めたことで抵抗が薄くなっているからです。
パッケージセルについて
パッケージセル(Package selling)とは、「メインの商品と関連商品をまとめて一商品として販売すること」です。
売り方から「クロスセル」とひとまとめにされることもあります。
例として、ファストフード店の「バリューセット」があります。
「ハンバーガーと飲み物とポテトをセットで勝ってくれたら割引します」というものです。
あるいは、スーツ量販店の「新社会人セット」「フレッシャーズ」など、スーツの他にネクタイやシャツ等を合わせて販売したり、スキー・スノーボードの「板・靴・ビンディングの3点セット」等が該当します。全て身近な所で見かけますね。
個別に買う場合よりも割り引くことで「お得感」を与えて購入させやすくするのが特徴です。
ちなみに私が以前に勤めていた会員制の仕事では、「後々必要になるものですが新規の方は割引で買えます」という形で、ご入会時に初期費用とは別に、そこそこ高額(2~3万円ほど)な商品も合わせて案内していましたが購入率は高めでした。
メインより高くとも価値と必要性が伝われば購入に繋がる成功事例だと思います。
アップセルについて
アップセル(UP selling)とは、「相手が買おうとしている商品よりも高いものをあえて勧めること」です。
身近な例では「賃貸マンションやアパートの不動産」があります。
私が一人暮らしを始めた時のことですが、予算を業者さんに伝え、それとほぼ同額~若干休めの物件を数か所回りましたがどれも決め手に欠けていた所、
「予算は少しオーバーしますが、その分 立地が…、間取りが…」と長所と合わせて案内され決めた所が今の家です。
価格が予算より高い分、他の魅力で販売につなげるのが特徴です。
また他にも、商品に
「当店の人気No.3、2、1」
「二つ星、三ツ星」
などの「ランク付け」をして、「せっかくなら人気のある方にしよう」と高い方を選ばせる方法もあります。
基本的にアップセルは購入を迷う段階での案内となりますが、ネットビジネスだと後の方で案内することもあります。いわゆる「バックエンド」といわれるものです。
先と後、どちらのタイミングで高い方の商品を勧めるのが良いかはケースバイケースです。
ダウンセルについて
ダウンセル(Down selling)とは、「相手が買おうとしている商品よりも安いものを勧めること」です。
これは「価格」がネックで契約不成立になりそうな時に用いられます。
ですが『値下げではない』というのがポイントです。
あくまで別の商品を案内することで満足や信頼など価値を与え、次の機会(リピート)に繋げるのが目的です。
商品そのものを値下げしてしまうと、他の方に案内する時も値下げしなければならず全体の収益が下がってしまうので注意が必要です。
クロスセル・パッケージセル・アップセル・ダウンセル:まとめ
今回は4つの販売方法についてご紹介しました。
どの方法が優れているということではなく、営業の際には場面・相手の心理・扱う商品に応じて使い分けることがポイントです。また、それぞれを上手く合わせることができればシナジー効果も期待できます。
『お客様が何を求めているのか』
『ネックになっているものは何か』
これらを見抜き、より多くの価値を提供できる様にクロスセル・パッケージセル・アップセル・ダウンセルを使い分けることが大切です。
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