三幕構成とは?苦手なクロージングやプレゼンを改善する秘訣

こんにちは。今回は【三幕構成】をご紹介します。

本来、三幕構成とは映画などの作品を作る時のパターンなのですが、実は人に何かを説明する時にもこの型に当てはめながら話すと上手く伝わりやすいので効果的です。

プレゼンテーションをする人のイラスト

画像:プレゼンテーションをする様子

あなたはクローズ(クロージング)やプレゼンテーションは得意ですか?

もし「君のプレゼンは毎回よく通るね」と賞賛される様であれば、この記事を読む必要はあまりないかもしれません。

ですが、もし「一生懸命話しているのに伝わらない」「内容を上手くまとめられない」とお悩みならば、この三幕構成を知ることがあなたのプレゼンやクロージング方法を改善するきっかけになるかもしれません。

三幕構成(スリーアクトストラクチャー)とは

三幕構成とは、ハリウッドなどでも使用されている物語のシナリオを作るのに使われるお手本のことです。

三幕構成を図にしてみたのでご覧ください。

三幕構成の図解

画像:三幕構成をわかりやすい図にしてみました

このように、1つのストーリーを1:2:1の割合で3分割して、見る人・聞く人を引き込む流れを作ります。

では順を追って解説していきますが、その前にまずはプレゼンやクロージング(=説明・会話)が上手くいかない理由と改善するためのポイントから解説します。

クロージングやプレゼンが苦手な理由と改善する2つのポイント

クロージングやプレゼンが苦手で上手くいかない理由には、経験や声質といった慣れや才能の要素もあるかもしれませんが、それよりもここを意識すれば改善できる2つのポイントがあります。

それは、論理性(ロジカル)簡潔さ(シンプル)です。

会話や説明が苦手な人には次のような特徴があります。

  • 自分が本当に伝えたい部分、主張すべき部分が明確になっていない
  • 自分が話す内容を全て重要と考えてしまい、あれもこれもと説明しようとしてしまう

これらが話の相手にぼんやりした印象・退屈な印象を与えてしまい、上手なクローズやプレゼンにならない理由です。

だからこそ、話の順序を整え、不必要な部分は削り、何を伝えたいかをはっきりさせるために三幕構成が効果的なのです。

三幕構成:第1幕から第3幕までの解説

では次に、自分の話す内容を一本の物語にするためにはどのような構成にすればよいかを解説していきます。

見やすいように、先ほどの図をもう1度表示しておきますね。

三幕構成の図解

三幕構成の図

三幕構成の第1幕:状況を設定して相手を引き込む

第1幕では次の3つで簡単に説明し、相手の興味を引きながら何が主題なのかを理解してもらいます。

  1. つかみ
  2. 状況説明
  3. 動機づけ

この3つを映画で使う場合と、商品のプレゼンに応用した場合の例(四角で囲って表示します)、それぞれを解説します。

1.つかみ

まず、映画であれば次のようなつかみの例があります。1度は聞いたことがあるキャッチフレーズですね。

  • 全米が泣いた
  • 累計100万部突破のベストセラーがついに完全映画化
  • これを見ないで夏は終われない
つかみの例:なぜ○○の新商品を有名企業が次々と導入しているのか
ここで相手の興味関心を引きつけ話の続きを聞いてもらうことが大切です。

2.状況説明

続いて状況説明です。

映画では主人公や登場人物の紹介、何をしていてどういう環境にいるのかといった説明がなされる部分です。

状況説明の例:ある会社では毎回数人がかりで数時間かかる作業があり、労力や時間の面で大幅な負担がありました。

3.動機づけ

映画では物語が動き始める場面です。主人公が何故その行動をしなければならないのか、という動機づけを行います。

動機づけの例:調べてみると○○の新商品がこの問題を解決するのにうってつけの方法でした。

三幕構成の第2幕:最高の盛り上がりを作ることで相手の心を動かす

第2幕は導入から中盤に差し掛かり、いよいよ核心に迫ります。

物語であれば「仲間や敵との対立」や「主人公の葛藤」といった、一番盛り上がるピークです。

商品のプレゼンであれば、対象となる消費者や使用者が抱える悩みへの対策をアピールすると良いですね。

例:新しいものを導入するのは手間ですし、従来の方法がわかりやすいという声もありますが、今までどこにも使われていなかった※※という技術が採用された○○を使えば、作業効率は格段に上がり、福利厚生などの面でも充実させることができます。

また、あなたの主題と関連するサブストーリー(上の図にあるサブプロットの部分)を入れることで、話の中だるみを防いだり内容を深掘りしたりできます。

例:

  • 体験談:実は私も使ってみたんですけど
  • 第三者の声:事前に使用してもらったモニター感想

三幕構成の第3幕:結末で相手の行動を促す

いよいよ結末です。映画であれば「ピンチ→逆転→解決」と話がまとまる部分ですね。

プレゼンであればピンチというのはあまり縁が無いかもしれませんが、例えば「もしこれを導入しなかったらこんな結果になってしまう」とアピールすることはできるでしょう。

そこから「これを導入すれば前年比〇〇%増が見込めます!」など逆転に繋げるのも良いですね。

自分の主題の正当性を充分にアピールして完全解決となります。

例:

  • 導入したA社は労働時間を大幅に短縮し、前年比16%もの売上増を達成しました。
  • まだ成果の出ない作業で機会ロスを続けますか?

まとめと補足

それでは今回のまとめと補足です。

  • 三幕構成とは1つの物語を作るのに使われる型・パターンのこと
  • クロージングやプレゼンなど、相手に何かを説明する時にも三幕構成は効果的
  • その理由は闇雲にいっぱい説明しても相手に良い印象は与えないから
  • 三幕構成は次の3つで構成される
    • 第1幕:「つかみ」からの「状況説明」と「動機づけ」
    • 第2幕:「対立」や「葛藤」で相手の関心を引き込む
    • 第3幕:「ピンチ」からの「逆転」で「解決」

繰り返しますが、何かを説明する時は「ロジカル」と「シンプル」を意識して話を簡潔にするのがまずは大切です。

ありがたいはずの校長先生の長いお話にうんざりした記憶、ありませんか?

そして、これはパワーポイントなどでの図や映像、音声を使ってクロージングやプレゼンする場合も同様です。

技術があるとつい派手なアニメーションやお洒落な演出などテクニックに走りたくなりますが、プレゼン・クロージングに必要なのは相手の心を動かしたという結果です。

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