影響力の武器:理由づけとは

こんにちは。今回は著書「影響力の武器」「影響力の正体」などで紹介されている中から【影響力の理由づけ】についてわかりやすく解説します。

FF9 ジタンのセリフ「誰かを助けるのに理由がいるかい?」

「誰かを助けるのに理由がいるかい?」というセリフはFF IX(ファイナルファンタジー9)の主人公ジタンの有名なセリフですが、実際は人に影響を及ぼす好意や行動には理由が重要になります。

なぜなら人は理由があるだけで頼まれごとについてイエスと言いやすくなるからです。

このセリフで言えば「誰かを助ける」という行動に対しての理由ですね。

これからご紹介する内容は、そうした理由付けに関する説明ですので、人に何かを上手く頼みたいと思っている人には参考になるでしょう。

影響力の【理由づけ】とは

理由付けとは、ある行動・行為に対してそれをするための「口実・理由・言い訳」などを用意することです。

理由付けが効果的であることを証明した有名な実験があります。

それは、コピーをするために列を作っている人に対して以下の2種類のお願いをするものでした。

      1. 「先にコピーを取らせてくれない?」
      2. 「急いでいるので先にコピーを取らせてくれない?」

さて、より多くの人が順番を譲ってくれたのはどちらでしょう?

      • 1番「先にコピーを取らせてくれない?」の方が多かった
      • 2番「急いでいるので先にコピーを取らせてくれない?」の方が多かった
      • 変わらない

どうでしょう、わかりますか?

正解は2番の「急いでいるので先にコピーを取らせてくれない?」の方が多かったです。

これは何となく予想はついたのではないでしょうか。

では、1番と2番でどれくらいの差がついたと思いますか?

なんと、1番の「先にコピーを取らせてくれない?」が60%だったのに対し、2番の「急いでいるので先にコピーを取らせてくれない?」は94%もの人が譲ってくれました。

これだけの差がついた理由が、「急いでいるので」という理由づけなのです。

 

理由づけの効果はわかったと思いますが、まだ続きがあります。

実は最初の実験にはもう一つ、以下の様に別のお願いをしたパターンがあります。

3番「コピーを取らなければならないので先にコピーを取らせてくれない?」

これはどれくらいの人が順番を譲ってくれたでしょうか。

「2番よりは理由が弱いから少し増えたくらいかな? 70%とか」と私は考えました。しかし実際は、3番のお願いもなんと93%の人が順番を譲ってくれたそうです。

つまり、理由の正当性が弱くとも理由づけされていれば人は頼み事を聞いてくれやすくなるということです。ただし、これには限度、許容量があります。

上記のコピー実験で枚数を変えた所、イエスの度合いに変化がありました。

まず、上のパーセント数値は「コピーを5枚取りたい」というお願いに対してのものでした。

これを「20枚」にしたところ、1番と3番で約20%程度、2番でも約40%と順番を譲ってくれた人が激減しています。

つまり、願い事・頼み事が相手にとってどれくらいの負荷がかかるかにより、その理由もきちんと相手を納得(あるいは説得)できるものでなければならないということになります。

固定動作パターンに訴えかける理由づけ

人間には固定動作パターンという無意識な反応があります。

固定動作パターン(本能行動)とは

固定動作パターン(本能行動)とは特定の刺激に対して一連の決まった行動を生まれつき、無意識的に示す反応のことです。

今回で言えば、『~ので』という理由づけがあったから対応した が固定動作パターンとなります。

こういったパターンを知り上手く刺激することで、ビジネスや人間関係においても自分の意図した状況に運びやすくなります。

まとめ

それでは今回の内容のまとめです。

  • 人に何かを依頼する時には「~ので」という理由付けが効果的
  • その理由の正当性が弱くても、理由づけがされていれば人は頼み事を聞き入れやすくなる
  • ただし、依頼や願い事の負荷と理由に対する納得の度合いが大切

今回紹介した「影響力」についての著書『影響力の武器』『影響力の正体』では、これらのパターンは以下の様に大別されるとしています。

それぞれの影響力については以下の記事で詳しく述べていますので参考にしてください。

補足:影響力に関する著書の紹介

紹介する内容は私の実体験や勉強したものに加えて以下の著書を参考にしていますので、より詳しく知りたい場合はそちらをご覧ください。

 

「影響力の正体」の方が安いですが翻訳の仕方が若干違います。

また「影響力の武器」の方が有名で、各章の終わりにまとめがあり要点を押さえやすいです。

どちらも同じものを翻訳したものですが出版社が異なります。

もっと学びたい人は以下もご参考ください。

カテゴリー:心理テクニック

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