影響力の武器:社会的証明とは

こんにちは。今回は「影響力の武器」や「影響力の正体」で紹介されている人間の心理に作用する影響力の内、社会的証明の原理社会的証明の法則)の意味や具体例をご紹介します。

社会的証明:集団・みんなやっている のイメージ画像

この原理は人間が判断する時の心理に影響するのでビジネスにもよく応用されています。

「社会的証明の意味や例を簡単に知りたい」という方にわかりやすく解説します。

影響力:社会的証明とは

社会的証明(社会的な証拠)とは、ある特定の状況での判断を自分ではなく他人の言動をもとに行ってしまう心理のことです。

  • 社会的証明の法則
  • 社会的証明の原理
  • バンドワゴン効果

とも言われます。英語では「Social Proof」と書きます。

上記の「ある特定の状況」とは

  • 判断に困った時
  • 正しいと思われる判断をしなくてはいけない時
  • 自分と似た人の行動を見た時

などのことで、以下の様な例があります。

  • 良く売れている商品だから買う
  • みんなが並んでいるお店だからきっとおいしいに違いない
  • みんなが行くなら自分も参加しようかな
  • 周りが可愛いって言うから段々そう見えてきた

社会的証明の例

社会的証明の法則についてふと思い出した事件と言うか事例を1つご紹介します。

平成14年に2chで「俺に騒ぐオフ」というのが新宿で行われました。

芸能人ではない一般人の主催者が会場に着いたら、参加者が握手やサイン、写真撮影等を次々と求めて騒ぐ事で、周囲の人に「あの人は誰?有名人?」と巻き込むネタ目的のイベント(?)です。

事前参加予定者が40数名だったにも関わらず、当日その場に居合わせた人など約300名が関わり、知りもしない人のサインを貰って「???」と困惑したりとちょっとした騒ぎになったそうです。

何も知らずにサインを貰った人は完全に周りに流されていますよね。人はいかに周りに影響されるかを示した良い例だと思います。

 

社会的証明の原理は上記の例の他にも様々な所で応用されています。

社会的証明の例1:テレビの笑い声や驚く声

例えば「テレビの笑い声や驚く声」につられて同じリアクションをしがちですよね。

普段そういった声を入れている番組が突然それを止めたら強い違和感を覚えるのではないでしょうか。

社会的証明の例2:会員数や観客数の『延べ数』表記

述べ数」というのは総計です。例えばとあるイベントで、その日に来た人が500人でもリピーターも含めて次の日に500人、3日目に500人参加したとしたら「延べ1,500名ご来場!」と言えます。

仮に500名全員がリピーターで実際は500名しか来ていないとして「500名来場!」より「延べ1,500名ご来場!」の方がより興味を引きますよね。

社会的証明の原理を応用した例

人間はより大勢の人が関わった物事の方を信頼します。

『有名だから品質が保証されている』と考え、品質の判断を自分以外のものに委ねます。

人は『良いもの』ではなく『みんなが知っているもの』を買いがちなのです。

これを応用した例が次のようなキャッチコピーです。

  • 「業界ナンバーワン!」
  • 「地域の皆様に愛されて20年」
  • 「利用者1万名突破!」

やはり「みんなも買っているんだ」と印象付けていますね。

また、ちょっと違った切り口としてアメリカのテレビショッピングで使われた方法があります。今までは「お申し込みはこのあと」のみだった所を、『お電話が繋がらない場合は数回お試しください』と付けただけで反応が倍増したというものです。暗に「人気だから問い合わせが殺到しているんだ」と視聴者に思わせた例ですね。

こういった人間の心理を理解しキャッチコピーやマーケティングを上手く活用できるとビジネスチャンスが広がります。

社会的証明の注意点

人を扇動する社会的証明ですが、利用するときには注意すべきこともいくつかあります。

認知不協和による誘導・扇動に注意

これはどちらかというと自分が誘導されそうな場合の話です。

例えば学校の授業などで「正解はAだと思う人は挙手」と先生が言ったとします。自分は正解はBだとわかっていましたが、自分以外の全員がAに手を挙げた場合、突然不安になり「あれ?ひょっとして自分の勘違いかも…?」と自分の中の混乱・矛盾を消そうとします。

また、悪徳セミナーなどはサクラを仕込んで会場の雰囲気を逆らえないようにするといったこともあります。正しくないとわかっていながら間違った方に流されそうになってしまうこともあるので注意が必要です。

実際とかけ離れた誘導・扇動は困難

例えば募金を募る時、仮に他の地域では既に一定額集まった実績があったとしても、あなたの持った募金箱が空だと中々入れてくれません。

いかに「周りもやっている」「みんな言っている」と訴えかけても実情が違えば相手は反応しません。また参加や協力者が少ないと行動を起こすのに躊躇(ちゅうちょ)します。

人は「最初の一人目」には中々なりたがらないものです。

まとめ

それでは今回のまとめです。

  • 社会的証明とは、判断しづらい状況では自分ではなく他人の言動をもとに決めてしまいがちな心理のこと
  • 人は大勢の人の判断に弱い。人と違うのが怖い(認知不協和)
  • 実際と違う誘導や扇動は難しい

ビジネスにおいては、本当に実績があれば社会的証明を活用することで信頼感を与えられるため、より売上を伸ばすことに繋がります。

顧客の不安を取り除き価値を提供するのがビジネスなので使い方を間違わなければ有効だと私は思います。

また別の例として、私が以前受けたクレームですが、実際はその方1人だけしか思っていなかったのに「みんな言っていますよ! どうなっているんですか!?」と圧力をかけられ非常に不安・恐怖を覚えたことがあります。

もし自分が社会的証明を悪用される立場に陥った場合は、周りに流されない「自己肯定力」も併せ持つ必要があります。

もっと学びたい方は下記も参考にしてください。

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