これまで人間の心理に働く影響力を8種類お伝えしてきました。
・「理由づけ」
・「返報性の法則」
・「コミットメントと一貫性の法則」
・「社会的証明」
・「好意の法則」
・「権威の法則」
・「希少性の法則」
・「コントラスト効果・比較」
・「それぞれの注意点や対処法」
今回は『それぞれの影響力について、自分が使われる側だった時の注意点・対処法』をご紹介します。
影響力の注意点と対処方法について
もし上記の影響力を相手が使って誰かを誘導しようとしても、それがその人にとって欲しい商品やサービスであれば何も問題はありません。
需要と供給がマッチしたwin-winのビジネスです。
しかし、悪徳商法・詐欺・およそ真っ当ではない宗教などを勧めるために影響力による扇動が行われるということも日常では起こり得るのです。
私の所にも詐欺かそうでないか判断がしづらい仮想通貨の話や投資案件が日々舞い込んできます。
だからこそ注意や対処する方法を知っておくことが大切です。
影響力それぞれの手法や効果を知っておく
『自分の身は自分で守る』。当たり前に聞こえて実は非常に難しいですが、まずはこの意識を持たねばなりません。
そのためにも大前提として抑えておきたいのは次のようなことを知っておくことです。
- 平気でだまそうとする人が実際にいるという事実
- だます程ではなくとも、自分さえ儲けりゃいいやと考える人が多い
- そんな人々が使う手法・テクニック
こうした意識や知識を予め持っておけばいざという時、「ちょっとまてよ…何か話の流れがおかしくないか?」と一旦冷静になることもできます。
影響力の注意点と対処方法:相手の真意を考えてみる
上手な嘘のつき方は『真実の中に少しだけ嘘を混ぜること』だと言います。
正直、そんな事をさらりとやってのける詐欺のプロに「自分は絶対だまされないぞ!」と真っ向勝負を挑んでも、知らぬ間に騙されるのがオチでしょう。
ですからどこまでその相手と接しているかの見極め、時には脱出の算段をしなければなりません。
本当は怪しい話には最初から近づかなければいいのですが、チャンスがリスクの中にあるのも事実です。
また、向こうから忍び寄ってくる場合もあるので、リスクを避けることばかりを考えるのではなく、リスクとどう付き合うかを考えるのが大切です。
そこで考えて欲しいのは相手の言っている言葉そのものではなく、その裏に潜む真意です。
例えばこんな広告を目にした時、あなたはどう考えますか?
- 「マジで!?そんな話があるならすぐやるしかない!」
- 「どうせウソだろ!」
どちらが正解という話ではなく色々考えてみてほしいのです。
実際に1度仕組みを作ってしまった後は何もしないか、ちょっとした手直しで十数万円を稼いでいる人は僕の友人知人にもいるので100%嘘とも言い切れません。
もっとも、こういった案内をしている商材のほとんどはもう稼げないものだと思います。
ではその時にどう考えるかと言うと、例えば
- 「そんな上手い話なら自分だけやればいいのをわざわざ紹介する理由はなんだろう?」
- 「どこかにこれのレビューや体験した人の話はないか?」
- 「どんな仕組みで集金するモデルか?」
- 「自分が何かを案内する時の参考になる部分はあるか?」
その狙いや既に関わりを持った人がいないか情報を集めることで判断材料が増やせます。
そうすれば、真意には辿り着けなかったとしても、次のような判断材料がおぼろげにでも集まるので、そこで判断すれば良いかと思います。
- もっともらしい情報を売り捌いて大金をせしめる気かもしれません
- 参加者がいないとお金が動かない仕組みかもしれません
- 急遽大金が必要になり情報を売らざるを得なかったのかもしれません
ちなみにネットの賞賛・批判は当てにならないこともあるので注意です。
「影響力」への対処法の例
これらを踏まえてそれぞれの対処法を考えていきましょう。
※全てこれらの影響力をテクニックとして使ってると知っている前提で話します。
影響力の武器:「理由づけ」への対処方法
- その理由が自分の利害とどう関わるか吟味する。
- 『●●なので〇〇』の●●と〇〇は本当にイコールになっているか・話に辻褄が合うかをチェックする。
影響力の武器:「返報性の法則」への対処方法
- 「せっかく○○をしてもらったし悪いから…」と安易に流されない。
- 相手がしてくれたことに対して「それはそれ、これはこれ」と割り切って考える。
影響力の武器:「一貫性の法則」への対処方法
相手が「フットインザドア」を使ってきたら「小さいイエスをやたら取られていないか」を確認する。
影響力の武器:「社会的証明」への対処方法
『みんなはみんな』『自分は自分』と意思を強く持って判断する。
影響力の武器:「好意の法則」への対処方法
断ったら悪いと悩んでも情に流されない。
影響力の武器:「権威の法則」への対処方法
- その権威は本物かどうかを確認する。
- 仮にその権威が本物だとしても、その人の情報まで絶対正しいとは限らないと思っておく。
影響力の武器:「希少性の法則」への対処方法
- 焦ってすぐ飛びつかず、本当に必要か考える
- 他でも手に入る機会が意外とあったりするので調査してみる
影響力の武器:「コントラスト効果・比較」への対処方法
自分の基本に立ち返る:『安く思えた』などの外的要因は置いておき必要なのは何かを考える
影響力:『注意点と対処法』まとめ
影響力に関する他の記事でもお話しましたが、悪徳商法・詐欺師・およそ真っ当ではない宗教…他にもお喋り上手・やり手の営業マンなど、彼らが使う人心掌握術は、「ビジネスで何かを売りたい」「人を動かしたい」と考えた時にスキルとしては参考になる部分が多くあります。
悪い所ばかりを見ずに様々な角度から学ぶ発想を持つと思わぬ得をすることもあります。
関連カテゴリー:心理テクニック
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