説明の仕方をスペインサッカー指導法から学ぶ:「戦術記憶」「戦術適応」とは

こんにちは。いつもお読み頂きありがとうございます。
今回は『説明の仕方』について、スペインのサッカー指導方法の1つ「戦術記憶」「戦術適応」から考えていきます。

画像:サッカーのコーチングを仕事・ビジネスに活かす

あなたは説明が得意ですか?



説明・プレゼンテーションの仕方を「相手」側から考える

ビジネスにおける何らかの説明やプレゼンテーション、商談・営業トークに関しては カテゴリー:「クロージング」 で色々とお伝えしていますが、どちらかと言うと「話者=伝える側」に関する内容が多かったので、今回は『聴衆=話を聞く側』に焦点を当ててご紹介します。

スペインの指導方法:戦術記憶と戦術適応について

スペインのサッカーでは選手に対して戦術に関する指導をする際、『戦術記憶(memoria tactica)』・『戦術適応(adaptación tactica)』と段階を踏んで行います。

それぞれの意味について見ていきましょう。

戦術記憶(memoria tactica)について

戦術記憶とは「その戦術を頭では理解している段階」のことです。わかってはいるものの、まだ実践で完璧にはこなせない状態ですね。

 

戦術適応(adaptación tactica)について

戦術適応とは「その戦術を考えなくても自然とできている段階」のことです。選手全員がこの状態になると互いに補完し合い、相乗効果が生まれます。

 

戦術記憶・戦術適応を、あなたの話を聞く立場で考えると

では戦術記憶・戦術適応、それぞれの段階をあなたが話すべき相手に置き換えて考えてみましょう。

戦術記憶(memoria tactica)がまだ無い

戦術記憶が無い段階、つまり「あなたが今日、何について話すかよく知らない」という段階です。

例えば新たに企画を提案する様な場面ですね。新商品やサービスについての発表や勉強会も該当します。この時は

「相手が全く知らない=あなたの説明次第で熱烈なファンにも強烈なアンチにもなり得る」

ということを意識すべきでしょう。

話す前の資料や、ツール(ホワイトボードや黒板、プロジェクターを使ってスクリーンにパワーポイントなどで作ったデータを写すなど)で、事前知識を与えたり、「専門知識をなるべく避ける」「笑いを取る」「安心感を与える」など話し方にも配慮が必要です。

 

戦術記憶(memoria tactica)がある

「あなたが今日、何について話すかは知っているがそれについての詳細は知らない」という段階です。

例えば「定例会議」「既存商品のPR、キャンペーン」などの場面ですね。この場合は聴衆がどれくらい知識があるのかを確認した上で、まだ相手が知らない内容を話したり、知っていることの応用や実例について話すことで、相手がそれを使った時のことをよりイメージさせることができます。

 

戦術適応(adaptación tactica)ができている

しっかり適応できているレベルに話すということは、主に改善や新機能などその商品について「変化」が起きた時、あるいは何かしらをあなたが変えたい時です。

この段階の人々に前の話を何度も、あるいは長時間しても、「そんな事はわかってる!」と反発を招いてしまうかもしれません。ここでは話の内容だけでなく進行にも変化があると良いです。

例えば相手の1人を指定して簡単な質問をし、正しく答えた相手を褒めてみたり、「これについて知っている人?」と手を挙げさせてみるなど、話自体を飽きさせない工夫があれば相手も集中してあなたの話に耳を傾けるでしょう。

その上で今回話したい変化について簡潔にポイントを絞って話せば、よりあなたの商品・あなたのファンになってくれ、更には支持者からエバンジェリスト(伝道者=周りに拡散してくれる人)にもなってくれるかもしれません。


説明の仕方をスペインのサッカー指導法から学ぶ:まとめ

話す人の性格にもよりますが、自分の話す内容について精通していればしているほど、話を聞く側への配慮を怠りがちな傾向にあります。

例えば

専門用語を多用してしまう
早口で喋ってしまう
とにかく話したいことを話すだけに留まり、相手の反応を見ない
などです。

こうした話はつまらないし記憶にも残りづらいです。私にもやってしまった苦い記憶があります。

これではせっかく時間をかけてもその後の仕事に良い影響は与えません。

学校の教師やビジネスセミナーの講師などでも人気がある人とない人には雲泥の差がありますが、これは話の内容もさることながら、「話を聞く側のことをどれだけ考えられているか」が大きく影響しています。

大抵の場合、話す側の目的は「話して終わり」ではないはずです。聞いた相手にどうしてほしいか、そのためにどんな話し方・伝え方をすればいいかをイメージすることが大切です。


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