今回はパナマ文書とは何かについて、なんととなくどういうことが問題視されているか知りたい方向けにお話しします。
パナマ文書について
「パナマ文書」とは、主に次の3つのサービスの提供を行う、「世界で4番目に大きなオフショア法律事務所」と呼ばれるモサック・フォンセカ法律事務所により作られた機密文書の事です。
- オフショア企業の設立
- オフショア企業の管理
- 資産管理サービス
「南ドイツ新聞」及びアメリカにある「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」に匿名者から渡った(経路不明:ハッキングとの噂も)ことで一躍世間にその存在が知られました。
オフショアについて
オフショアとは、元々は「沖合い」という意味ですが、金融の世界においては規制が緩く『国外からの所得』に対して所得税や法人税が安い、あるいは全くかからない『国』、『自治権を持った地域』のことです。
パナマ文書の何が騒がれているのか
80カ国、約400名のジャーナリストが分析した結果が2016年4月に公表されました。
そこには『世界各国の政治家や権力者、及びその家族や周辺の人々がオフショア会社と金銭的・権力的なつながりを持っていた』ことが記されていました。
要約すると、「本来、税金がかかる膨大な金額が隠されていたのが明るみになった」という事です。
例えばイギリスのスタバは本来払うべき数十%の法人税を数%しか納めていなかった(翌年は0)事が発覚し一時抗議・不買運動が起こりました。
また、文書に名前が記載されていたアイスランドのグンロイグソン首相は辞任に追い込まれています。
パナマ文書問題を知るためのキーワード:タックスヘイブンについて
パナマ文書を説明するには「タックスヘイブン」を知る必要があります。順に見ていきましょう。
タックスヘイブンの意味
タックスヘイブンとは、「オフショア金融センター」という意味で用いられ、ほぼオフショアと同意語です。
「ヘブン:heaven=天国」ではなく、「ヘイブン:haven=避難所」で『タックスヘイブン=租税回避地』という意味になります。
主なタックスヘイブンの場所
・ヨーロッパ:モナコ公国・サンマリノ共和国・ルクセンブルク・マン島 …
・中南米:バハマ・バミューダ諸島・ケイマン諸島・パナマ …
・その他:香港・シンガポール・ドバイ …
何故タックスヘブンが存在するのか
タックスヘブンの多くは、「自国の資源を持たず産業の中心が観光」です。
そのため、税金を下げたり部分的に無料にして海外の企業を誘致することで、その事業に関する手数料や雇用を生み出しているのです。
タックスヘイブン自体は合法
タックスヘイブンに会社や子会社を作ることで、リスクヘッジや投資などの取引を行い、業績を伸ばして社会や会社・社員に還元することは、経済活動上 問題ありません。
また、日本はタックスへイブン対策税制という法律で脱税を防止しています。
では何故タックスヘイブンが問題視されるのか
やはり1つはパナマ文書でも騒がれている様に「脱税」「裏金」に利用される可能性です。
オフショアのプライバシーは厳重に守られ、個人情報の開示はかなり難しい様です。
また、ノミニー制度(法人場合、株主や会社役員を第三者名義で登記できる制度)もあり、一層特定が難しくなっています。
もう1つはマフィアやテロ組織などの「マネーロンダリング」利用です。
パナマ文書:まとめ
何やら流行っている様なので僕もいらすとやさん(クリックでHPへ)の素材をお借りしてパナマ文書のまとめと日本の反応をまとめてみました。
社会福祉財源の安定化、充実化を目指すための財源が足りないことを謳い『消費税の増税』が段階的に行われています。
消費税が上がれば当然物価も上がり国民の生活は厳しくなります。
仕事量はますます増えるのに給与は増えるどころか減る始末…
更に増税でお金は出ていくばかり…
それでも税金は納めなければなりません。
ところが一部の大企業や権力者、富裕層は自分の資産をタックスヘイブンに移し税金の支払いを逃れていました。
今回、そのオフショア投資に関わっていた人物や企業名がパナマ文書の流出により明らかになりました。
当然、莫大な額の税金が支払われていなかった事に各国の国民は非難しています。
日本関連だと:バンダイナムコ・シャープ・ドワンゴ・サンライズ・大日本印刷・大和証券・ファーストリテイリング・JAL・パイオニア・ホンダ・セコム…他多数の名前が記載されていました。
ただし、日本では知識不足やイメージから「タックスヘイブンの利用=脱税、犯罪」だと思っている人が意外と多かったり、「パナマ文書に名前が載っている=悪い」と思っていたりする人もいます。
それらについては様々なサイトでより詳しく解説しています。
パナマ文書騒動にまつわるいくつかの誤解 (外部サイト:クリックで別タブが開きます)
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