リオオリンピック男子400mリレーに見た「足し算ではなく掛け算」となる組織力

2016年08月05日(金)の開会式で幕を開けたリオオリンピックは約2週間、様々な競技が行われ08月21日(日)に閉幕しました。
日本は「金12個」「銀8個」「銅21個」と大変素晴らしい成績を修め、日本中が興奮と熱狂、感動に包まれました。
また、閉会式での安倍首相がマリオに扮するパフォーマンスも話題となりましたね。

世界最速の男も驚いた!?日本のチームワーク

 

そんな日本にとってのオリンピック、中でも特に注目されたのは『陸上男子400mリレー決勝での銀メダル獲得』でした。

「個」の差をチームワークで覆した日本のリレー

ジャマイカを筆頭に優勝候補とされていた国のメンバーはほぼ「100m9秒台」が揃っていました。

400mリレー各国の100m自己ベスト

一方の日本は『一人も9秒台がいない、全員10秒台』です。

男子陸上400m日本メンバーの100m自己ベスト

個の力ではほぼ勝つ見込みのない状態

では何故、並み居る強豪を押しのけて銀メダルを獲得できたのでしょうか?

日本が銀メダルを獲れた秘訣は『アンダーハンドパス』を採用したから

世間一般では、渡す時間はかかるものの、バトンを持っている前の走者と次の走者がぶつからないよう、オーバーハンドパスを採用しています。

オーバーハンドパス:次の走者が手を上に向けてバトンを受け取る方法

これに対し日本は少しでもタイムを縮めるため、走者間の距離が近くなるリスクはあるもののスピードを保ったままバトンパスができる、手の平を地面側に向けてバトンを受け取るアンダーハンドパスを採用しました。

これは即席のアイディアではなく長年の練習と工夫、改良を重ねた日本独自の方法です。

またバトンの受け渡しだけでなく、走る順番も経験、実績を考えに考え抜き、代表経験は浅いが爆発力があるケンブリッジ選手を、次のバトンパスが無いアンカーに配置するなど「個の特性」を活かした采配でした。

これはまさしく、チームワーク、組織力が重なり合って生まれた結果と言えるのではないでしょうか。

「チームワーク」「団結力」「組織力」

呼び方は違えどビジネスの世界においても常々叫ばれる言葉です。

それらを本当に高めるためには

  • それぞれが同じベクトルを向いているか
  • スタンドプレーに走ろうとしていないか
  • 足の引っ張り合いが起きる環境になっていないか
  • トップが適材適所に人材(人財)を配置しているか

様々な要素が重なり合った掛け算で成り立ちます。

今回の男子陸上400mリレー 銀メダル獲得はそういった事を考えさせ、また、やってやれないことはないという事を証明してくれた出来事だと思います。

P.S.念のためNHK公式の動画を紹介します。

※リンク切れ等は予めご了承ください

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