ISOでブロックチェーンと電子分散台帳技術が議論される

      2017/05/01

ISO(国際標準化機構)のロゴ

今回は「ISO(国際標準化機構)で、ブロックチェーンの国際標準化についての議論が、2017年4月にシドニーで行われる」ことについてご紹介します。

ビットコイン他 仮想通貨の普及と共にその名が広く知れ渡り、IoT(=Internet of Things:モノのインターネット)を含む幅広い分野への応用が期待でき、「フィンテックの次」の技術 として政府も注目しているブロックチェーン技術。その発展のため、国際的な標準化議論に向けた会議が行われます。ここではISO自体やブロックチェーンに関する内容をあなたにお話しします。

ISO(国際標準化機構)について

まず、ISO(国際標準化機構)とはInternational Organization for Standardizationの略で、日本ではアイエスオー、イソ、アイソなどと呼ばれる、国際間での商品やサービスの取引をスムーズにするため、共通の基準や規格を決める組織です。国際標準化機構が制定した規格をISO規格と言います。

組織としてはスイスに本部を置く非政府組織であり、加盟国メンバーが162の標準化団体から成る非営利法人です。

あなたも、「ISO 9001認証取得」や「ISO 14001認証取得」などと掲げられている会社やHPを見かけたことがあるかもしれません。あるいは、身近な例ですと「非常口のマーク」もISO規格だったりします。

非常口(exit)もISO規格(ISO 7010)

見慣れた非常口マークも実はISO規格の1つ(ISO 7010)

 

番号ごとに何についての規格かが定められていて、例えば上に挙げた「ISO 9001」であれば「顧客満足を目的とする品質マネジメントシステム」、「ISO 14001」であれば「環境保全を目的とした環境マネジメントシステム」になります。

この様に、モノ、技術、食品安全、農業、医療、情報の扱い方と言った、あらゆる分野で「世界中の誰でも同一基準・品質のものを提供できる様にしましょう」というガイドラインを定めているのがISOであり、それが『ブロックチェーンと電子分散台帳技術』について2017年の4月にシドニーにて話し合いを行うという訳です。




ISO TC307 ブロックチェーンと電子分散台帳技術

「ISO TC307」のTCとは、Technical Committeeの略で「技術委員会」を指します。番号は扱うもの毎に割り当てられています。今回の「307」だと「ブロックチェーンと電子分散台帳技術」になります。

以下はISOのHPより引用したものです。

範囲 ユーザー、アプリケーション、システム間の相互運用性とデータ交換をサポートするためのブロックチェーンと分散元帳技術の標準化。

ブロックチェーンの国際標準化についての議論:参加国 16

  • オーストラリア(SA)
  • オーストリア(ASI)
  • カナダ(SCC)
  • 中国(SAC)
  • デンマーク(DS)
  • フィンランド(SFS)
  • フランス(AFNOR)
  • ドイツ(DIN)
  • イタリア(UNI)
  • 日本(JISC)
  • 韓国(KATS)
  • マレーシア(DSM)
  • ノルウェー(SN)
  • ロシア連邦(GOST R)
  • イギリス(BSI)
  • 米国(ANSI)

かっこの中に書いてあるのはその国の参加組織名です。ISOでは各国1機関だけが参加できることになっていて、日本では『JISC(日本工業標準調査会)』と言う経済産業省に設置されている審議会が参加します。

国としては仮想通貨に反対姿勢のロシアも参加しているのが興味深いですね。

ブロックチェーンの国際標準化についての議論:オブザーバー国 17

※多いので国名は割愛します

※オブザーバーとは、会議で議決する権利はないが参加できる人。傍聴者のことです。

ブロックチェーンは仮想通貨以外にも使われている技術

ブロックチェーンと言えば多くの方がまず思いつくのがBitcoin(ビットコイン)やイーサリアムなどの仮想通貨ではないでしょうか。

以下の画像は経済産業省の資料から一部を引用したものです。

Blockchainに関する最近の動向 - 経済産業省

出典: 平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査 2016年4月の5ページ目

 

しかしこの技術は、例えば銀行の送金システムへの導入実験がされたり、他にも保険への実証実験が行われていたりします。例えば以下の様な例が挙げられます。

  • 『ブロックチェーン技術等を活用した国内外為替一元化検討に関するコンソーシアム』に邦銀38行が参加すると発表(2016年8月)
  • 各国のメガバンクがリップルネットワークに参加、開発を表明
  • 損保ジャパン日本興亜ホールディングス(SOMPO)が、ベンチャー企業ソラミツと共同で、天候デリバティブ(金融派生)商品などを対象に、ブロックチェーン技術の実証実験を行う(2016年9月)

ブロックチェーンの技術を用いることで作業の効率化、高速化、コスト削減、エコシステムの構築など、今後の社会に求められるサービスに、より対応できる様、期待されています。



ブロックチェーンの国際標準化:まとめ

「取引の大半が中国だからビットコインは危ない」などと主張する人もいますが、日本でも仮想通貨を規制する資金決済法や犯罪収益移転防止法改正が成立するなど、ブロックチェーン技術や仮想通貨は着々と世界に浸透しつつあります。

しかし、もちろん課題や問題もあります。例えば、技術的な課題・法整備の問題・マネロン(マネーロンダリング)や詐欺など悪用への懸念…など。

そういった諸々への対応が、今回のISOの国際標準化に繋がっているのだと思います。

このサイトでも詐欺や注意などの情報は随時お伝えしていますが、新しいものが生まれ定着するまでには色々なことが起こります。あなたがどの立場・スタンスで関わるのか(あるいは関わらないのか)、いろいろな情報に触れて判断力を磨くのが良いかもしれません。




 

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