こんにちは。今回はVUCAワールドに求められる人材、および対応方法の例をご紹介します。
VUCA(ブーカ)の意味をお知りになりたい方は上記の関連記事を先に御覧ください。
「予測がつかない、変化が激しい現代社会に必要な人材とはどういう人物像か」
というのが知りたい方向けの内容です。
VUCAを生き抜く、組織内で意識するべき3つのポイントとは
スタンリー・マクリスタル アメリカ陸軍大将
※写真引用元:wikipedia
ASTD(American Society for Training & Development=米国人材開発機構)
2014のカンファレンスにて、スタンリー・マクリスタル アメリカ陸軍大将のプレゼンテーションでは、この予測不能な時代においてチームや組織が生き残るためには
- 「予測できるという傲慢さを捨てる」(Predictive Hubris)
- 「組織的な適合性を高める」(Organic Adaptability)
- 「共有化された意識と権限委譲による実行」(Shared consciousness & Empowered Execution)
の3点を意識して行動できるかがポイントであると述べました。
要約すると、
「未来は予測が立つものではなく適応しかできない。だから組織が大きくなろうともコミュニケーションを取って人との信頼関係を築き、情報の共有や官僚的なプロセスに時間を要する旧来の仕組みから権限移譲など事態の対処がしやすい組織作りをするべきだ」
という事ですね。
日本におけるVUCAに対して求められる人材、対応方法の例
少しずつ日本でもこのVUCAへの認識、またそれに対応する人材が考えられてきています。と言っても全く新しい能力が求められている訳ではないようです。
この話題に関して触れられている所をざっと色々調べた所、
- コミュニケーション力(良好な人間関係の構築)
- 実行力:とりあえずやってみる
- シンプルに考える
- ×場当たり的→〇臨機応変・柔軟な対応ができる
- 自分の所属する組織(会社など)のトライ&エラーについていける
- 異質や旧来のやり方に固執しない:変化を受け入れる
といった意見がありました。
補足すると、「臨機応変」というのは何か変化が起きた時に慌てずに対応していく(≒場当たり的な)イメージですが、ここでの意味は『変化が起こるかもと想定し、それらに対して最低限準備をしといた上で、いざ変化が起きた時に素早い行動ができる』というニュアンスです。
全くの場当たりではなく様々な可能性を考慮しておく思慮深さがあるという事ですね。
VUCAに対応した企業の例
上記の旧来のやり方に固執せずVUCAに対応した企業の例として、事務製品の大手キングジムや、製薬会社の森下仁丹の例があります。
- キングジムは当時、社内でも懐疑的な意見があったにもかかわらず、「テプラ」などのデジタル文房具開発に踏み切った(後にテプラは看板商品となりました)
- かつては生薬の「仁丹」でお馴染みだった森下仁丹はヘルスケアなど薬を内包する技術(シームレスカプセル)を育て、薬のみならずレアメタルの回収や環境分野などにも進出しました。
この様に、主力製品があってもそれに依存せず更なるものを求める姿勢の事だと私は思います。
結論・まとめ
いくつか例を出してきましたが結局求められているのは、ありきたりな表現になってしまいますが、『人間力』ではないかという結論に至りました。
この言葉が抽象的過ぎるので適しているかは微妙ですが、
- 『何か起きても動じない』
- 『しかし頭の回転と行動は素早く』
- 『状況を楽しむ→周りにも安心感を与える』
簡潔に言うとこういった人材が求められ、そのために旧来の詰め込み式学習(知識を身に付ける)から、体験学習及びフィードバック(知識を知恵に変える)といった教育方針もより求められているのが今の時代の流れです。
ますますデジタル化していく世の中で、求められているのは、より人間味のある人物という対比は興味深いものがありますね。
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