今回は『飲食業のブラックな話』について料理人をしている友人であるZ君からの話をもとにご紹介します。
本当にあった黒い話
カテゴリー「ブラック」では、様々な業種・業界のブラック企業・ブラックな人について調べたもの・知人、友人の体験談をご紹介します。
※特定の業種・業界・及び企業や個人を誹謗中傷する意図はありません。予めご了承ください。
『ブラック企業』「ブラックな人」の実体験を公開
1度働くと他の会社や業界のことは中々わからないものです。「○○はブラックって言ってるけど本当はどうなの?」と気になることも多いと思います。これから就職する人や転職を考えている方、また今の仕事と比べたい方の参考になれば幸いです。
よく飲食業界はブラックが多いと言われますが
「ブラックな業界」と言えば、アパレル業界と並び「飲食業界」が挙がるのではないでしょうか。
ホールスタッフだと「休憩が無い」「長時間労働」「残業代が付かない」などと言われ、コック(料理人・調理師)であれば「先輩からの横暴なイジメや嫌がらせ」などがあると言われます。
環境が悪いので離職率が高く、人が定着しないまま次の人が来るため教育もままならず負のスパイラルに陥るのがブラックと言われる理由の1つです。
料理人にあれこれ注文(難くせ)をつけてくる役員
しかし今回の場合はちょっと違います。Z君の場合は彼が役職者も兼任していたこともあり、現場と上層部の中を取り持ち、会議の方法を工夫したり、連絡にビジネスツールを採用するなど業務改善に努めてきました。給与も競合他社よりは良かったそうです。
そういう点では必ずしもブラックとは言えないかもしれません。
…しかし上層部の1人が考える「お店に大切なもの」が現場と合っていなかったことからZ君の人生は大きく変わっていきます。その役員は「料理は2の次。うちはBAR(バー)だから」という考えの持ち主でした。
そのためコックたちに色々と言ってきたりと次第にギクシャクしていき、いよいよ関係修復が困難になっていきました。始めはZ君も理解を示そうと歩み寄ったりしたのですが、功を奏せず他の料理人たちが次第に辞めていきました。
実際の所、大半のお客が料理を期待して来店しているにもかかわらず方針を変えないその上層部。一向に変わらない状況にとうとう業を煮やしたZ君も辞めてしまいます。
(彼はいくつもスカウトの話があったのですぐに次がありました)
その後のそのお店については知りません。数店舗ある大きめの所なのですぐに潰れる様なことはないでしょうが、このまま料理を作る人がいなくなれば流石に経営は苦しくなるでしょうね。
その業界の何が生命線か
今回で言えば「料理人」という飲食店にとっての要を失ったことが痛手です。これがホールスタッフなどであれば、業務さえ覚えればまだ比較的容易に補充ができるでしょう。しかしスキルを持った人の放出はすぐには埋められません。
その人の腕=作る料理の味目当てで来るお客さんも失うことにもなります。特に今時はグルメサイトなどで、すぐに評判の良し悪しが拡散される時代です。スタッフ同士の空気が悪い店は必然的に客足も遠のくでしょう。
どんな仕事もそうですが、「人(社員)」を大切にできない(≒ぞんざいに扱われていると相手に感じさせる)事が一番のブラックなのではないでしょうか。
補足:ブラック企業とは
- 従業員に対して長時間労働や低賃金といった法定を無視した劣悪な環境・条件での労働を強いる企業
- 元々の意味は反社会的団体と関係のある企業
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