全人格労働に見る仕事と生き方

      2017/08/09

この記事の趣旨

人生や価値観などを全て仕事に注ぎ込んでしまう「全人格労働」という働き方をしている人が急増しています。

ひょっとしたらあなたやあなたの周りもそうかもしれません。

ブラック企業という言葉が定着して久しい現代の日本において、働く事の意味を見つめ直しませんか?

 

「全人格労働」の解説と実例

全人格労働を説明するための過酷な労働イメージ

全人格労働とは

全人格労働 … 産業医の阿部眞雄さんが2008年に書かれた『快適職場のつくり方ーイジメ、ストレス、メンタル不全をただす』の中で、「労働者の全人生や全人格を業務に投入する働き方」を表現したもの

今、この全人格労働による悲惨さが、にわかに話題となっています。

以下にニュースとなったものを要約しました。

 

「スーパーでまさかの枕営業…」<2016.2.16 AERAより>

大手食品メーカーの契約社員だった女性(20代後半で3人の子持ち)が、とあるスーパーに営業で出向いていた際、従業員男性が契約をちらつかせてその女性に枕営業を強要した。

上司からの叱責やプレッシャーが脳裏に浮かび、エスカレートする要求に断れずに応じてしまった結果うつになり、業務のミスが増え契約更新されず、夫には離婚を切り出された。

 

「会議に遅れる…電車を降りて線路を歩いた男」<2016.4.26 ヤフーニュースより>

東京都足立区のJR綾瀬駅でホームから人が転落し、駅の約300メートル手前で電車が緊急停止した。

この電車に乗っていた会社員の男性がむりやりドアを開け、線路を歩いて駅に向かった。

この行為が他の電車の運行にも支障をきたし約10万人に影響した。

駅員に保護された男性の言い分は「大事な会議に遅れられなかった」だった。

 

あなたは何を感じどう思うでしょうか?

「そんなになるまで追い込まれるなんてブラック企業だな」

「まさに社畜(※)」

(※社畜:「会社+家畜」から来た造語で、勤めている会社に身も心も捧げてしまっている人を揶揄する言葉)

でしょうか?あるいは

「仕事なんだから仕方ない」

「それくらいしないとやっていけない」

でしょうか?

 

「その仕事が好きで長時間働いても休みが少なくても苦にならないし給与が多少安くても構わない」と心底思える会社に勤めているのであれば、例え他者から見たらブラック企業だとしても、その人にとっては1つの幸せと言えるのかもしれません(ハピネス企業なんて呼び方も一部ではされていますね)。

ですがこれらのケースは違います。「業務でのミスやトラブル、それに関する自分への責任追及への恐怖」といった過度なストレスがかかり、正常な行動・判断ができなくなってしまった状態です。

 

仕事と報酬とストレスの関係

ERIモデル(Effort Reward Imbalance Model):努力‐報酬不均衡モデル

WHO(世界保健機関)が定義する職業性ストレスの1つ「努力‐報酬不均衡モデル」によると、

仕事の遂行のために行われる努力に対して、その結果として得られる報酬(金銭・昇進などのキャリア・表彰などの心理的なものも含む)が少ないと感じられた場合に、より大きなストレス反応が発生する

多かれ少なかれ自分・自分がした事を評価してほしいと思うのは当然だと僕は思います。

しかし世の経営者(の多く)は違う事を重要視します。

以下はある超大手企業の会長の発言として話題になったものです。

「給料10万円の人を倍の給料20万円するとその人はやる気をだしてくれるでしょう。
しかし、今までの労働に比べて2倍も働いてくれません。では、半額の給料5万円にするとどうでしょうか?
今までの7割くらいの力でどうにか働いてくれます。つまり数学的に考えて給料を半分にする方が儲かる」

 

企業である以上、利益の追及は使命であり、会社側から見れば社員への給与や福利厚生はコストになります。

上記の発言をその会社が実施したかは定かではありませんが、似た様に考える経営者も少なくはないはずです。

こうして数字を追い求めすぎるあまり行き着いたのが全人格労働なのではないでしょうか。

 

仕事は何の為にするもの?

一方、ある大手アパレル企業の社長が以下の発言をしました。

多くの人は「稼ぐため」に会社に入り働くと思っているでしょう。僕はその考え方自体が根本的に間違っていると思うんです。

働くなんて一種の”余暇活動”でいい。人生を楽しむため、好きなことをするために会社に入るのが本来のあり方。

僕は支持したい考えですが、これに対しても「小童が!仕事をなめるな!」と異見を唱えていた方がちらほらいらっしゃいました。

「仕事=辛い事・厳しい事」という考えはまだまだ日本に根付いている様です。

 

全人格労働に見る仕事と生き方:まとめ

個人的には「仕事=人生を豊かにするもの・幸せにするもの」だと思っています。

豊かというのは金銭面だけでなく「こころのあり方」を含めたものです。

ドバイではプロ乞食の日給が27万円、月収約800万円だそうですが、この話を聞いても実際やろうという人は少ないと思います。

 

自動化、機械化される分野が拡大し、楽・効率化を追及する結果、「仕事がなくなる」、「物が売れず売上が下がり結果として今回の様な問題も増える」という矛盾をはらんだ資本主義の現代日本において、自分が何に価値を置いてどう生きたいか、日々考えながら1日を大切に過ごしていきたいものですね。

 

 

記事の著者紹介
札幌在住のフリーランスです。webコンテンツ作成(サイトや動画作成、webライティング講座など)を中心に活動しています。
より詳しくは☞プロフィール
サッカーサイトもやっています☞サカボン

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