こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は「休眠預金活用法」についてご紹介します。
「貯金が没収されるの?」「自分の口座も対象なの?」「いつから始まるの?」という疑問もあるかと思います。
もしくは「そもそも休眠預金活用法って何?」という方もいらっしゃると思うので1つずつ解説していきます。
休眠預金活用法とは
休眠預金活用法とは金融機関の口座に一定期間以上 放置されている預金を福祉や地域活性に回すという法律です。
2016年12月2日、時事通信などが休眠預金活用法の成立を報じました。以下は複数の報道をまとめたものです。
休眠預金活用法の概要
金融機関の口座で10年以上放置されている「休眠預金」を、難病の子を抱える家庭への支援、福祉や地域活性化、貧困対策や若者支援など民間公益活動の財源にする法律「休眠預金活用法」が、2日の参院本会議で与党などの賛成多数により可決・成立した。これにより毎年500億~600億円が活用される事になるという。公布後1年半以内に全面施行される。
これまでは金融機関の収入になっていた年数百億円。法整備を後押ししてきた市民らは「多くの人が助かる」と期待する一方で、運用開始までの課題も色々と残っている。
引越しなどで新たに銀行や郵便局で口座を開き、かつて使っていた方の口座をずっと放置している方は確認した方が良いかと思います。
このニュースを受けて、一部では「勝手に預金が没収される」と思われている方もいるので、改めて休眠預金活用法がどういったものかを関連する休眠口座についての解説を交えて説明していきます。
休眠口座とは
そもそも「休眠口座(きゅうみんこうざ)」とはどんな状態の口座を指すのでしょうか? 確認していきましょう。
休眠口座について
休眠口座とは金融機関に預金として預け入れたまま
- 「長期間その口座へ預金者側から入出金などの取引が行われなくなった」
- 「金融機関側から預金者への連絡も取れなくなった」
この様な状態の預金口座のことです。ここでの「長期間」というのは金融機関によって異なります。
預金には時効消滅がある
預金は使った形跡がないと時効消滅します。時効の期間は金融機関によって以下のように異なります。
- 銀行預金:5年間権利行使がなかった場合に時効消滅(商法上で制定)
- 信用金庫預金:10年間権利行使がなかった場合に時効消滅(民放上で制定)
- ゆうちょ:2007年9月30日以前に預け入れて20年2か月を経過していると権利が消滅し払い戻しされなくなる(旧郵便貯金法の規定)
上記から判断すると、概ね5~10年全く使っていない口座が対象と考えればよいということですね。これくらいの期間であれば放置している人は多数いるでしょうね。
休眠口座にある預金、今はどう扱われているのか。
次に休眠預金活用法が施行される前である今はどうなっているのか見ていきましょう。
基準は休眠口座にある預金額が「1万円」を超えるかどうか
上記の報道で「これまでは金融機関の収入になっていた」とありましたが、現行では残高が「1万円未満」であれば金融機関の収入となります。
一方で「1万円以上」の場合は金融機関から預金者への通知が届いたと判断されれば通常の預金として扱われます。もし通知が届かなかったと判断されれば、「1万円未満」と同様に金融機関の収入とされます。
つまり、今までも長期間放置していた場合は預金者以外のものになっていたわけで、休眠預金活用法ができたから急に没収される事になったわけでないということですね。
休眠預金活用法が施行されるとどうなるか
休眠預金活用法が試行されると、「預金保険機構 (外部サイト)」に手続きをした後に休眠預金が移され、そこから助成・出資・貸付などを公益活動を行う団体に対して行う流れになるという事です。
ちなみに預金保険機構(DICJ)は「ペイオフ」の処理手続きをしたり、振り込め詐欺に対する業務を行う団体です。
ペイオフとは
ペイオフとは預金保険制度・預金保護とも。金融機関が破綻(はたん)した場合預金者の元本1,000万円とその利息までを保護する制度のことです。ちなみに外貨預金は保護されません。
口座のお金が没収!?「休眠預金活用法」成立へ:まとめ
休眠預金がきちんと世のために使われれば良いですが、場合によっては怪しいNPO法人や特定の権力者に渡ったりなどの危険性が新たに生まれそうですね。
例えば、東京電力福島第1原発事故の被害者救済制度を悪用して賠償金1200万円を騙し取った詐欺事件や復興支援事業の補助金約500万円を不正受給した事件などもありました。
今回の休眠預金活用法成立ですぐに困る人はそこまでいないと思いますが、改めて自分の資産の守り方を考える良い機会になるのではないでしょうか。
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