先日、Google Webmaster Conference Sapporo 2019という、Googleが主催で行っている、GoogleのサービスやSEOに関する内容のイベントに参加してきました。
その前日、イベント参加前に Code of Conduct を一読するよう案内がありました。
こういう概念は今後イベントやセミナーを開く人や、会社の規則を決めるのにも役立つと感じたのでご紹介します。
Code of Conductとは
Code of Conductとは日本語だと行動規範と訳され、団体や集団における慣習やルール、決まりごと、ガイドラインという意味です。
- code:基準・慣例・礼儀作法
- Conduct:行動・行為
Google独自のものではなく、日本においても行動規範を定めている企業はたくさんあります。
Webmaster Conference の Code of Conduct
まず、GoogleのWebmaster Conference(ウェブマスターカンファレンス)におけるCode of Conductについては、英語ですがこの項目の最後にあるリンクで全文が読めます。
英語や長文が苦手で読むのはちょっと…
という方のために簡単に説明すると、人種・宗教・外見・年齢・アクセント(発音)など各種の差別やハラスメントを認めないということが事細かく書かれています。
例えば、一般的なセミナーなどでは次のような内容が事前に告知されることはあります。
- 今回使用するスライドの写真撮影は禁止です
- 録音は禁止です
- 本セミナーで紹介される内容は100%の成果を保証するものではありません
これらはどちらかと言えば主催者側を守るための内容ですね。
しかし、Webmaster Conference の Code of Conductはイベントに参加する全員のことを守りつつ良いものにしようという印象を受けました。
実際にGoogle 検索のエヴァンジェリストである金谷 武明さんからは、「あなたが違反しないためというより、あなたをあらゆるハラスメントから守るためにご一読いただければ」という案内でした。
特に次の3つのポリシーは他のイベントでも使える とても良い規範だと思います:
- Be excellent to each other.
- Speak up if you see or hear something.
- Practice saying “Yes and” to each other.
順番に説明しますね。
Be excellent to each other.
意味は『お互いに優れています』です。
その後の説明には次のように書かれています:
だから、自分の発言が相手にどう捉えられるか、もし自分が同じことを言われたらどう感じるかを考えましょう。ジョークは他人を軽んじるものではありません。
時として、自分は何とも思っていなくとも相手に不快感を与えてしまうことがあります。
例えば以前 私の知人の女性が個展を開いた時に、一人の男性客が「作品よりもあなたの服装の方が派手で作品みたいだねぇ」というような発言したことに、彼女はセクハラだと感じ、大変嫌な思いをしました。
きっとその男性にとっては他愛のない発言だったのでしょうが、言われた当人が受け止め方をするとは限りません。
イベント当日にもCode of Conductについては冒頭に紹介され、その中で金谷さんは「例えば女性のスピーチに対して、その内容ではなく容姿や外見について注目するといったこともCode of Conductの対象になります」と発言されました。
気をつけているつもりでも、こうした配慮をする習慣が自分には不足しているなと感じました。
Speak up if you see or hear something.
意味は『もしあなたが何かを見たり聞いたりしたら声を上げてください』です。
その後の説明には次のように書かれています:
嫌がらせは容認されず、あなたや他の人が軽視された時には丁重に交戦する権利があります。あなたを不快にさせている人は自分がしていることに気付いていないかもしれないです。
そして彼らの行いに丁寧に気付かせてあげることが推奨されます。
黙ったままでいると相手はあなたが嫌な思いをしていると気づかないかもしれず、余計エスカレートしてしまうかもしれません。
お互いのためにも何かあったら意思表示することが大切ですね。
Practice saying “Yes and” to each other.
意味は『お互いに “はい” と言って練習しましょう』です。
その後の説明には次のように書かれています:
私達一緒に創造することでベネフィット(=恩恵・利益)を得ます。
こちらも当日、「何かの発言について否定から入るのではなく、まずいったん受け止めて、それから自分の考えを伝えましょう」といった内容の補足がありました。
イベントの最初に『ウェブマスターカンファレンスはeducation(=教育)というよりもsocial(=交流)です』という説明がありましたが、まさにこのことですね。
自分の考えに固執して周りの考えを拒絶していては新しいものは生まれません。
最後に
実際のイベントも参加者の皆さんが意欲的かつ楽しんでいるように見えました。
その要因はこうした考え方が根底にあるからだと私は思います。
特に今後の日本は、よりグローバル化が進むことによる人種やジェンダーの問題が増えるだろうと思われます。
そうした時に予めこうした考えをお互いが持ち合わせていたら無駄で無益な争いやトラブルも減ることでしょう。
このページをご覧いただいた皆さんの周りでも、こうしたCode of Conduct(=行動規範)が広まっていけば素晴らしいですね。
Event Community Guidelines and Anti-Harassment Policy|Webmaster Conference
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